このようなときは当科をご受診ください
- 尿が泡立つ
- 喉が渇く
- 食後の異様な眠気
- 20歳時の時より10㎏体重が増えた
- 空腹時のイライラが治まらない
- 手先足先が痺れる
- 寝ている回数の尿の回数が急に増えた
- 糖尿病の家族がいる
- たくさん食べているのに急に体重が減った
- 出産時、妊娠糖尿病、妊娠中毒症の指摘・治療を受けた
- 糖尿病の疑いがあるといわれた
- 現在の糖尿病の治療が合わない気がする
- 治療を中断しているが再開を検討している
- かかりつけ医を探している
- 自分が糖尿病かどうか知りたい
生活習慣病とは
生活習慣病とは、日頃からの乱れたライフスタイルがきっかけとなって発症する病気の総称です。代表的な疾患としては、高血圧、糖尿病、脂質異常症などがあります。なおこれらの疾患はいずれも自覚症状が現れにくいので、気づかない間に病状を進行させやすくなります。そしてこのような状態を放置し続けると、血管は常に損傷を受け続けているので動脈硬化を促進させます。
きちんと治療を受けずに放置していると、血管が肥厚、あるいは血管内部が脆弱化し、脳血管障害や虚血性心疾患など重篤な合併症を引き起こすようになりますので要注意です。
生活習慣病になっても、ほとんど自覚症状がありません。しかし、脳卒中や心筋梗塞などのリスクを減らすためには、日頃から定期的に健康診断を受け、また、かかりつけ医を持つことが大切です。
当院では異常値だけでなく、数値の推移にも着目して、今後起こりうる病気の発症予防に重きをおいています。さらに、管理栄養士による食生活を見直し、リハビリステーションでの適度な運動の継続や指導を行なっています。
生活習慣病の代表的な疾患
生活習慣病には様々な種類がありますが、よく見られるものとして、以下の疾患があります。
糖尿病
糖尿病とは、慢性的に血糖値が高い状態を言います。血糖値は、食事や甘いジュースを飲むなどして上昇しますが、通常であれば膵臓で作られるホルモンの一種インスリンが分泌されることで再びバランスのとれた状態になります。しかし、何らかの原因によってインスリンの分泌が不足したり、量が充分でもその質が伴わなかったりすることがあります。すると作用不足を起こし、血管内でブドウ糖はエネルギー源として細胞に取り込まれなくなって、ダブつくようになります。これが血糖値を高くさせてしまうのです。こうした状態が長期にわたって続くと、細小血管や神経がダメージを受けるようになり、様々な合併症を引き起こすようになります。
糖尿病の種類
1型糖尿病
インスリンを産生する膵臓のランゲルハンス島β細胞が主に自己免疫によって破壊されると、インスリンが分泌されなくなります。これによって血糖値が高くなってしまうタイプが「1型糖尿病」です。小児や若年層に患者が多いため、「若年型糖尿病」と言われていた時代もありましたが、のちに成人でも発症することが判明したことで、現在の疾患名となりました。1型糖尿病は急激に高血糖状態になることも少なくないので、多尿・頻尿、喉が異常に渇く、疲労感で出やすい、体重減少などの症状がみられるようになります。さらに重症化すると意識障害などが起きます。
2型糖尿病
2型糖尿病は、代表的な生活習慣病のひとつです。日本人の場合、全糖尿病患者の9割以上がこのタイプだと言われています。これは、過食、運動不足、肥満、過剰なストレスなどによって膵臓が疲弊し、そのことでインスリンの分泌が不足する、あるいは量が充分でも効きにくい状態になっています。発症初期に自覚症状が現れることは少ないのですが、ある程度まで進行すると、多尿、喉の異常な渇き、疲労しやすいなどの症状がみられるようになります。
三大合併症
糖尿病網膜症
糖尿病三大合併症のひとつです。血糖値が慢性的に高くなると、常に血管を損傷させていることになるので、やがて細小血管からその影響が出るようになります。なかでも網膜は細小血管が集中している場所でもあるので、障害を受けやすい箇所となっています。糖尿病を発症したとしても、すぐに糖尿病網膜症を併発するということはありません。しかし、数年~10年が経過すると、糖尿病網膜症のリスクが急速に高まります。これに伴い、霧視、飛蚊症、視力低下といった症状が見受けられるようになります。放置が続けば、失明することもあります。
当院の患者様には、眼科受診を定期的にしていただくようにスケジュールを立てながらお声掛けをさせていただいています。
糖尿病腎症
糖尿病を放置していると、尿を作る腎臓の糸球体という部分の毛細血管が悪くなり、だんだんに尿が作れなくなります。このような合併症のことを「糖尿病腎症」と呼んでいます。さらに進行すると、最終的には人工透析が必要になります。この場合は専用の医療機器で血液の不要な成分をろ過し、人工的に尿を作らなければならないので、日常生活に大きな影響を及ぼします。
現在は、糖尿病腎症の進行を抑制する腎保護薬のSGLT2阻害薬等があり、早期に、そして的確に治療を行うことで透析導入を防げたり、導入時期の延長が可能です。糖尿病による腎機能低下を防ぐには、定期的に健診を受け、血糖値や腎機能の評価をすることが大切です。
糖尿病神経障害
糖尿病の発症によって高血糖状態になると、毛細血管が損傷を受けます。それによって神経細胞も障害を受けるようになって、様々な症状が起きるようになります。このような合併症のことを「糖尿病神経障害」と呼んでいます。様々な神経が障害を受けるようになるため、立ちくらみ、便通異常、排尿障害、発汗異常、勃起障害、顔面麻痺などの症状が出現することもあります。足などのしびれ、痛み、冷え、こむら返りなどもみられます。重症化すると、足を切断しなければならないケースが起こることもあります。
糖尿病の治療
- 食事療法
- 運動療法
- 薬物療法
- 生活指導
糖尿病の治療では、合併症を起こさせないための血糖値のコントロールが重要になりますが、具体的な内容は1型と2型で多少異なります。1型糖尿病では、インスリンがほぼ分泌されていないので、体外からインスリンを体内へと注射で注入するインスリン療法となります。
これに対し、2型糖尿病の患者様の場合は、インスリンが少ないながらも分泌はされているので、生活習慣の改善から始めます。食事療法では、1日3食を規則的にとる、糖質や脂肪の量を減らす食事内容にするなどをします。当院では管理栄養士による食事指導を行い、改善点のアドバイスをさせていただいています。運動療法では、ジョギングやスイミングなどの有酸素運動を毎日30分程度は行います。
当院では症状に応じて、リハビリテーションにて理学療法士にて運動療法を行います。このほか、喫煙、お酒の飲み過ぎに注意することも大切です。これらで改善傾向が見られなければ、経口血糖降下薬による薬物療法となります。
それでもコントロールが不十分であれば、当院での糖尿病教育入院やインスリン注射の開始を検討していきます。
高血圧
このうち高血圧は、血圧が正常範囲を超えて高く維持されてしまう病気です。初期の段階では自覚症状はありませんが、放置していると、その高い圧力によって血管壁にストレスがかかり、動脈硬化を促進させて心不全や狭心症、心筋梗塞といった心臓血管系の病気を招いたり、または脳出血、脳梗塞の原因になったりします。
高血圧の治療
高血圧の治療では、食事療法などで適正な体重を維持するようにして、毎日30分以上のウォーキングやサイクリングなどの軽めの有酸素運動を続けます。
さらに、1日当たりの塩分摂取量は6g未満に抑え、お酒は飲み過ぎないことが大切です。タバコを吸われる方は、禁煙してください。タバコは肺癌の原因として知られていますが、動脈硬化の一因でもあるため、喫煙とその他の生活習慣病をどちらも有していると動脈硬化が加速します。
食事・運動・行動療法を行いながら、血圧コントロールが十分に下がらないときは、薬物療法を行います。
脂質異常症
脂質異常症は、血液中の脂質、具体的にはLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)の濃度が慢性的に高くなる病気です。さらにHDL(善玉)コレステロールが基準値より低い場合も、脂質異常症となります。
この病気を放置していると、増えた脂質がどんどん血管の内側に溜まって動脈硬化の進行を促してしまい、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を招く原因となってしまいます。また、高血圧などと同様に自覚症状が無いため、健康診断などの機会を利用して、早い段階で見つけることが大切です。
脂質異常症の治療
脂質異常症の治療に関していうと、ほかの生活習慣病と同様に、食事療法、運動療法、および薬物療法を行います。とくに重要なのが食事療法であり、これは適正体重の維持とも深く関わってきます。
高LDLコレステロール血症の人は動物性脂肪を含む食品を減らして植物性脂肪を含む食品を増やす、コレステロールの多い食品を減らす、野菜やきのこ類などの食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂るようにします。また高トリグリセライド血症の人の場合は糖質の多い食品やお酒を控える、摂取エネルギーをコントロールする、なども心がけます。
運動療法としては、ウォーキングなどがお勧めです。こうした軽めの有酸素運動を続けていると、トリグリセライドを減らし、HDLコレステロールを増やすことがわかっています。さらに必要であれば、お薬を服用してLDLコレステロールなどの値を正常に近づけていきます。